【大島屋蒟蒻店】創業から200年 地域に根差した蒟蒻店 ~持続可能な経営と、後世へ繋ぐバトン~

23年10月16日

★事業内容

大島屋蒟蒻店は、福島県白河市で創業200年を迎える老舗蒟蒻店です。昔ながらの製法を現在も大切に受け継ぎ、一つ一つ手作りされた大島屋の蒟蒻・ところてんは、昔も今も変わらず多くの方々に愛され続けています。また、蒟蒻芋の旬である11月~3月頃までの期間限定で、矢祭町の在来種(和玉)のみを使用した「白河蒟蒻」も製造・販売しています。

★企業理念

食卓ではあまり主役になることのない蒟蒻ですが、品質が高くて味染みの良い本物の蒟蒻は日本食文化の名優です。私たちは蒟蒻のそういうところが大好きです。「おいしくて、おもしろくて、 かっこいい。」そんな蒟蒻をひとりでも多くの人に楽しんで貰えるように、私たちはこれからもずっと蒟蒻をつくり続けます。

★重視する目標

創業から200年を迎えた大島屋では、今後も持続可能な製造・販売をしていくために、SDGsの手法を取り入れた経営を行っています。中でも、目標4、6、12の3つに注力しています。

目標4「質の高い教育をみんなに」

白河実業高校農業科では、農業に関する基本的な学習を広く行っています。その一環として、地元・白河ならではの作物「生芋蒟蒻」も栽培しています。

大島屋では、この生芋蒟蒻の特性や栽培方法を授業で教えるとともに、実際に収穫した蒟蒻を加工するなど活用方法についても伝授しています。生徒の皆さんには、ぜひ農業を学ぶことに誇りを持ち、農業を通して様々な経験を積んでいってほしいです。また、「白河蒟蒻」で使用する在来種を栽培する矢祭町は、かつて在来種の蒟蒻芋づくりが盛んで生産量が日本一でした。再び「蒟蒻産地の復活!」を目指して、後世に蒟蒻づくりの面白さや魅力を伝えられるよう取り組んでいます。

目標6「安全な水とトイレを世界中に」

この目標には、川の水質をきれいに保つことも盛り込まれています。大島屋の工場がある西郷村は、東北地方で2番目に長い「阿武隈川」の源流に育まれた自然豊かな土地で、「源流の里」とも呼ばれています。一級河川である「阿武隈川」源流のミネラル豊富できれいな水は、大島屋の蒟蒻・ところてんづくりには欠かせません。この安心安全で美味しい水は、地域が持つ宝とも言えますね。こだわり抜いた蒟蒻粉にこの水を加えて、なめらかで味や弾力のある蒟蒻をつくっています。

また、工場から排出される水も全く害がないものなのです。蒟蒻の保存液は「石灰水」、使用している水も阿武隈川源流のきれいな水のため、環境に無害な排水をしています。

目標12「つくる責任 つかう責任」

矢祭町の在来種を使用した「白河蒟蒻」の開発前、「在来種の蒟蒻芋を栽培しても、新品種の蒟蒻芋に混ぜてしか買い取ってもらえない」「今や在来種の生産者は激減し、在来蒟蒻芋は絶滅寸前である」という、矢祭町の農家さんの声を耳にしました。現在、国内で蒟蒻に使用されている蒟蒻芋の約98%は新品種のものといわれています。地域に根付いた伝統文化を絶やしてはいけない、矢祭町の生芋で最高の蒟蒻を作りたい。そんな思いで出来上がった在来生蒟蒻は、歯触り・舌触り・風味の良さも一般の蒟蒻とは別格です。

地域の方々に愛されて長く続いてきたからこそ、地域の伝統や文化を継承し続けていかなければならない、そんな使命を掲げて日々蒟蒻づくりに励んでいます。こうした高品質のものを使用するのは、美味しさを追求するためなのはもちろん、良いものを作ってくれる人には相応の対価を受け取ってほしいと切に願うためです。「正しい商品を、正しい価格で取引する。」作り手として、今後もこの責任を果たしていきたいと思います。

第1回SDGsフェアの取り組み

白河実業高校農業科の生徒さんと栽培した蒟蒻芋を生芋蒟蒻(板)に加工し、販売しました。また、蒟蒻の販売だけでなくおよそ100食の田楽もご用意し、ご購入いただいたお客様からはとても好評でした。そのほか、来場されたお子様をターゲットに、蒟蒻の歴史や作り方をお教えする「青空教室」も開講。予想を大きく上回る多くのお客様が来場され、大盛況で幕を閉じました。

第2回SDGsフェアの取り組み・意気込み

前回の出店内容と同様に、白河実業高校農業科の生徒さんと栽培して作った生芋蒟蒻(板)と、その場でお召し上がりいただける田楽を販売いたします。

そして、今年の5月に新型コロナウイルスが5類に引き下げられたこともあり、「昨年よりもさらに多くのお客様の笑顔が見られるのではないか」と楽しみな気持ちでいっぱいです。このフェアを通して、皆がSDGsについて楽しくわかりやすく学べるよう、私たち大島屋蒟蒻店も全力で準備に励んでまいります!それでは当日、皆様とお会いできることを楽しみにしております!

>>大島屋蒟蒻店