【花月庭園】地域への「愛着」と「持続可能性」を育む緑の力 ~人と自然が共生する社会を守り続けるために~

23年10月16日

★事業内容

有限会社 花月庭園は、1977年に福島県鮫川村で創業した造園会社です。造園のほかにも、庭木の剪定や外構工事、エクステリア(花壇、レンガ、ブロック、フェンス、カーポート、コンクリート駐車場)など、空間や植物にまつわる幅広い業務を行っています。地元である白河市のお客様を中心に、お客様のライフスタイルや周辺環境に合わせて最適なプランをご提案します。

★企業理念

弊社は「人と自然が共生する、真に美しく豊かな空間を、高度な技術によって創造する」を理念に掲げ、あらゆる緑化ニーズに対応した仕事を行っています。また、「家庭」という字は「家」と「庭」でできています。どちらかが欠けてしまうと、本当の安らぎは訪れません。充実した「お庭」という空間をつくり、家族の想いを一つにするお手伝いをさせて頂ければ嬉しいです。窓から見えるすべての景色にワクワクを感じてもらえるように、従業員一同熱意をもって日々仕事に励んでいます。

★重視する目標

花月庭園では、今後も緑とワクワクが溢れる社会にしていくため、SDGsの手法を取り入れた経営を推進しています。中でも、目標4、12、17の3つに注力しています。

目標4「質の高い教育をみんなに」

弊社は、SDGsの目標の中でも特に目標4に注力して取り組んでいます。弊社の代表は、厚生労働省認定の「ものづくりマイスター」という資格を保有しており、この資格を持っていることによって学校をはじめとする教育現場でも、ものづくりを教えることができるようになるのです。

この資格を活かして、地元の子どもたちを対象とした「苔玉教室」を実施しています。

苔玉は丸い苔のボールに植物が植えられたもので、簡単に作れるうえに栽培方法も比較的容易なため、小さなお子様にもおすすめできる体験教室です。また、体験教室では苔玉の制作以外に「苔テラリウム」の制作も実施しました。「テラリウム」とは、ガラスやプラスチックと言った透明な容器に動植物を入れて栽培する方法です。このテラリウムに苔とライトアップ用のライトを入れて、暗い室内でも鑑賞をお楽しみ頂けるような工夫を施しました。

こうした体験教室には基本は親子で参加してもらい、初めは弊社側が丁寧に作り方を1からお教えします。しかし、慣れてくるにつれて基本のつくり方とは違う一工夫を加えるお子さんや、手本として見せた形とは異なる「オリジナル」の形に仕上げるお子さんもいて、柔軟でユニークな発想には脱帽です。弊社スタッフは「講師」という立場で教室を実施していますが、実際は「生徒」となるお子さんから学ぶことも多いのです。

そのほかにも、中学生の職場体験を受け入れています。職場体験では、弊社が普段お客様のご自宅に伺って行う作業を手伝ってもらっています。具体的には、実際に花や木を植える作業を中心に、仕上げの部分や、完成後の掃除なども担当していただきます。作業の一部だけ参加する形ではなく、お客様のどのような要望に対して、どのような流れで造園が行われ、どのような完成形になるのかを一貫して学んでもらえたらと思っています。

そして最後には、自分が携わった造園で笑顔になるお客様を見ていただくことで、仕事に対するやりがいや達成感を感じてもらえたら嬉しいです。

参加してくれた学生の多くが、初めは「何をしたら良いのかわからない」「造園って具体的にどんなことをするのだろう」と疑問に思っていたようです。しかし実際の作業を通じて、造園の楽しさを体感できたとの声が多く聞こえ、弊社もとても嬉しかったです。

その中でも特に印象に残っている感想が、「本来ものづくりって具体的な数値や詳細な設計図があり、それをクリアすれば完璧な状態になると思っていた。しかし造園は単に数値をクリアするだけがゴールではなく、数値に加えてセンスや感触が重要なのだと気づいた。そうしたセンスや感触は、長年の経験を通じて養われるものなのだろうと感じた。」というものです。

この学生さんの感想は本当に的を射ていて、職場体験という限られた時間の中でこの気付きを自ら見出してくれた学生さんがいることが、本当にうれしく感無量でした。

目標12「つくる責任 つかう責任」

目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」

弊社が造園で使用している材料は、ほとんどが地域産のものです。目標4でも紹介した「苔玉」や「苔テラリウム」で使用している苔は、弊社が保有している山林の内部で収穫したものです。

鮫川村にとっての苔は、地域の特産品として売り出していたり、日常的に地域で見かけることが多かったりするものではありません。だからこそ、大切なものは実は隠れているだけで身の回りに存在しているということをお伝えしたいのです。

苔関連の商品の体験教室を通じて笑顔になってくれるお子さんや、苔を使用した商品を購入して喜びの声を下さるお客様を見ていると、苔の持つ力の大きさを改めて実感させられます。こうした形で加工しなければただの苔として注目されることがない存在ですが、ひと手間を加えるだけで誰かを笑顔にできる存在へと変わるのです。

また、苔玉に植える花にはデイジーやパンジーなどがありますが、これらも地域の花屋さんから仕入れたものを使用しています。

地域に根差した商売をしているからこそ、そこで使用する材料はできるだけ地域産のものにし、地域一丸となって「地域愛」を高める風潮をつくっていきたいと思っています。

弊社の事業内容が植物を中心としたものだからこそ、今後も植物にまつわる地域の経済・生態系・環境を発展・保護していけるような取り組みに注力していきたいです。

第1回SDGsフェアの取り組み

目標4でも紹介した「苔玉教室」を実施しました。基本は親子で参加していただき、その場で制作した苔玉はご自宅に持ち帰って栽培できるよう、育て方のコツや注意事項も併せてお伝えしました。大体80名ほどのお客様に体験していただき、親子で仲睦まじく制作に励む様子がとても微笑ましかったのが印象的です。

第2回SDGsフェアの取り組み・意気込み

前回同様、「苔玉教室」を実施するのに加え、「苔テラリウム」も数量限定で販売させていただきます。「苔テラリウム」は制作に時間を要するため、事前にこちらで制作したものを販売する形となりますが、ぜひお手に取って魅力を感じて頂けたら幸いです。第2回となる今回のSDGsフェアでは、昨年もご来場くださった方、新規のお客さまを問わず、共にSDGsについて楽しく学びを深めていければと思っています。

★花月庭園のウェブサイトはこちら